夏目漱石の雅号は四字熟語「漱石枕流」からきている

今日は大正時代の作家で「坊っちゃん」「吾輩は猫である」「こころ」「三四郎」「草枕」「行人」など後世に残る作品を残した夏目漱石に関するお話をしたいと思います。
夏目漱石というのは雅号(ペンネーム)で、本名は夏目金之助と言います。
漱石は「漱石枕流(そうせきちんりゅう)」という四字熟語からきており、「漱石枕流」は負け惜しみが強い、変わり者といった意味です。
漱石枕流」は唐の時代の歴史書「晋書(しんじょ)」にある「石に漱(くちすす)ぎ流れに枕す」という故事に基づいています。
漱石正岡子規ペンネームのひとつで、子規から譲り受けて夏目漱石と名乗るようになったそうです。

「石に漱ぎ流れに枕す」をもう少し詳しく解説すると、孫楚(そんそ)という人物が「隠居したい」と友人に伝えようとしたところ、伝える言葉の順番を間違えて「石に漱ぎ流れに枕す」=「石で口をすすいで川の流れを枕として生活したい」と言ってしまいました。
それを聞いた友人にツッコまれましたが、孫楚は意地を張って「石で口をそそぐ」=「歯を磨く」、「川の流れを枕にする」=「水で耳の中を洗う」と言い返したそうです。
ここから負け惜しみが強いことを漱石枕流と言うようになったそうです。
確かに石で口をすすぐ、川の流れを枕にするでは全く意味が分かりませんが、故事を紐解いてみると結構面白いですね。